コリスコ・グループは地域のグループではなく、「医学と教育の共同作業」をテーマとする「専門分野におけるグループ」(クリスマス会議の会則11条)であり、その会員は全国のいろいろな地域に在住されています。自由大学(第一学級)への取り組みを会場(リアル)に限定する場合は、グループとしての活動を定期的に行うことは困難です。
コロナ禍においては社会的な制限もあり、オンラインを併用することは必要と思われましたが、コロナ禍を抜けて、現在、どのような活動がふさわしいのかを考え続けていました。「緊急講座」等でもお話ししましたように、現在の時代状況の中で包括的な「協会」の設立に向けて努力するとき、その中心にあるべき自由大学に個々人が真剣に取り組むことが必要に思われてきました。そこで入間カイ自身の努力として、緊急講座として自由大学のテーマを取り上げ、また新しい形でコリスコ・グループの大学活動への取り組みを再開した次第です。その際、地域差や距離を越えて、同じマントラに取り組むことによる連帯を意識的に目指すことにしました。ですので、今回の活動にご参加いただく場合は、所属グループや取り組むテキスト(翻訳)の違いにかかわらず、各自が大学時間ごとのマントラに共に取り組んでいただくこと、できればノートを用意し、そこに毎回のマントラをご自分で書き留めていただくことをお願いしています。
ゲーテアヌムをはじめ、世界各地でもオンラインを併用してのエソテリックな内容との取り組みが試みられていますが、いわば暗黙の了解として、第一学級の時間との取り組み(大学時間 / Class Lesson / Klassenstunde)は物理的に会場で共にいる人たちによってのみ行われること、それに対して各自が実験的に試みる多様な取り組み(オンラインの併用や遠距離でのマントラの共有など)は「大学活動」(Class Work / Hochschularbeit)と呼んで区別されています。したがって、今回のコリスコ・グループの取り組みにおいても、会場で行われる取り組みは「大学時間」に近づけるべく努力しますが、全体としては「大学活動」と位置づけています。
何よりも、さまざまな可能性や障害が乱立する現在にあって、もっとも重要なのは一人ひとりの「精神的内実」への真摯な取り組みです。問われるべきは自分自身の認識への努力であり、そこにおいて全体としての「精神運動」への寄与がなされます。「どのような取り組みが正しいのか」「あの取り組みはいい加減である、間違っている」といった批判や議論は、今本当に時代が必要としている精神的努力のためのエネルギーを奪いかねません。立場は違っても、お互いの精神的努力を尊重し、そこにおいて「善」のエネルギーを結集していきたいと願っています。
入間カイ